カクテルパーティーって何かのパーティ?
誕生日パーティー的な??
大勢の人がいる中で
必要な情報だけ聞き取る脳の働きを
カクテルパーティー効果って言うの
確かに好きな人の声は
人がいっぱいいる中でも、聞こえる!
そうなのか…
聞こえた事がない…
そもそも好きな人が(ry
今回は聴覚情報処理障害(APD)の人が一般企業で働いてみたけど辞めた話です
聴覚情報処理障害(APD)の新卒の思い出
こんにちは。
感覚過敏の中でも聴覚過敏が一番強い、あかねこ(@akaneko222222)です
4月になって新しい学校に進学や新しい会社に就職された新学生、
新社会人の方も多いでしょうか。
おめでとうございます(*´▽`*)
私は正社員で働いたことが一度もないし、
何度も転職しているので偉そうな事は言えないのですが
アラフォーなのでそれなりに社会人経験も長くなってきました。
そんな中で、学校を卒業して初めて働いた時の話。
私の最終学歴は短大卒ですが、在学中に正社員での就職は決まりませんでした。
もちろん、就職活動はやっていました。
が、安定のコミュ障アスペルガーなので面接がとにかく苦手!!
ことごとく落とされていました。
そんな中で某企業が最初はアルバイトで入って、
しばらくしたら正社員にしてくれるという事で
卒業後はその某企業にアルバイトで就職する事になりました。
仕事内容は、営業事務。
営業スタッフが物を売る事がメインで、事務員は営業スタッフのサポート。
私はもちろん?営業事務で応募しました。
が・・・
とにかく!うるさい!!!
人数はそんなに多いわけではなかったですが、常に誰かしら喋っていました。
この書類仕上げておいて
データ出来たらFAXしておいて
〇〇に打ち合わせ行ってきます
××に行ってきます。現場から直帰します!
誰が何してるとか、誰がどこ行ったかなんて
覚えられるか!!!
電話もよく鳴ってたいたので
電話誰か出てー!
という声がよく響いてました。
そして電話の内容も聞きたくなくても入ってくる。
はい、はい、すみません、そうですね~とか喋ってる内容が無駄に入ってくる。
仕事の内容について話しているならまだマシですが
「芸能人の誰々が不倫でさぁ~」とか、仕事に関係ない話もしている。
「昨日、彼女と喧嘩しちゃって~」って、プライベートの話までしている。
もはや誰が何言ってるのか、さっぱりわからない
何を言っているのか、全然聞き取れない!
そんな中で、新人だった私は新人教育を受けたのですが
聞き取れない
聞こえないわけじゃないです。聞こえてます。
でも何言ってんのかわからないんです。
周囲がゴチャゴチャゴチャゴチャ喋っているし
電話がしょっちゅう鳴り響いているし
あげく説明する人は「忙しいから1回しか説明しないから」って。
忙しいのはわかりますよ!
そりゃわかります!
少人数で回しているのがよくわかります!!
でも1回しか説明しないからって
最初っから言うのは新人教育としてはどうなんでしょうか。
当然、説明されても何言ってんのかさっぱりわからない。
周囲の声とか雑音にかき消されて聞こえないんです。
必死でメモを取りましたが「聞きながら書く」
というマルチタスクが出来ないのでほとんどメモは取れなかった。
そもそも何言ってんのかわからんので、書けなかった…
そこで私も
すみません、聞こえにくいので
もう少し静かな場所で教えてもらえませんか
聞くより見るほうが得意なので、
紙に書く時間をもらえませんか
とか言えたら良かったですが、新人がそんな事言えるわけないやろ!!
度胸のある新人ならともかく、こちらガチの人見知りコミュ障やで!(ドヤァ)
「新入社員は電話に出なければいけない」っていう暗黙の了解。
これも理解出来なかったので、よく怒られていました。
ただでさえ電話が大の苦手なのに、電話出ないといけないって何?
っていうかその暗黙の了解、何?
聞いてないよ?
最初の説明の時に説明されたっけ?
そもそも、説明で何言ってたのか
さっぱりわからないんですが??
さいとーさん!聞いてんの?
何回も話しかけてるのに!
って怒られる事もしょっちゅうありました。
いや、話しかけられても雑音だらけなのでわかりません。
普通の人だったら話しかけられたらわかるものなんでしょうか?
(カクテルパーティー効果、全く働かず)
あまりに反応しないから、肩をポンポンとか叩かれると
物凄い勢いでビクーーーーーーーーー!!!としてしまう。
人に触られるのが大の苦手なので、触られると物凄い嫌悪感を出してしまいます。
もちろん学生時代もうるさいなぁと思う事はたくさんありましたが
学生と社会人はこうも違うのか!と改めて再認識しました(心が折れる音)
聞こえない事が原因で、鬱病が酷くなる
この時点では自分が発達障害者だとも、聴覚過敏があるとも知らなかったので
「自分はダメな人間なんだ」と落ち込むだけでした。
そしてストレスで食べまくる。過食症が始まる。毛を抜く。
ストレスで、鬱病が酷くなってしまいました。
もともと高校生の頃から鬱病で精神科に通院はしていたのですが、さらに鬱病が悪化…。
結局、この新卒で入った会社は1か月くらいで退職しました。
「新卒で入ったのに、すぐ辞めるなんてもったいない!」
「我慢耐性がない!1年以上は働かないと!」
とよく言われますが、あのまま継続していたらきっとストレスに押し潰されて
髪の毛ブチブチ抜きまくって、今以上にハゲが酷くなっていたと思います(抜毛症)
聴覚情報処理障害(APD)とは?
最近知ったのが「聴覚情報処理障害(APD)」という言葉でした。
「音は聞こえるけれど、何を言っているのかがわからない」
というもの。
難聴とは違って、音が聞こえないわけではないです。
聴覚検査をしても問題はないです。
むしろ聴覚過敏なのでどうでもいいような雑音まで拾います。
でも必要な情報は聞き取れないという。
詳しくはこちらの記事にて。
まさにこの状態でしたね。
雑音だらけの会社の中で、必要な情報を取り出して聞くって
無理。。
いくら集中しても無理でした。
頑張って聞く事に集中したら、他の作業が出来なくなりました。
・話をする
・指示を聞く
・雑談をする
・パソコン作業をする
・事務作業をする
・電話をする
作業は1つずつじゃないと出来ません。2個以上同時に出来ません。
誰でもマルチタスクが出来る事が
当たり前だと思うなよ!!!
聴覚情報処理障害(APD)への支援4つ
APDへの支援は大きく分けて4つの支援があります。
聴覚情報処理障害(APD)への支援1.環境調整
・教室や職場での着席配置
・音声情報の文字化
学校だと、教卓の近くの席の方が良いです(先生の声が聞こえやすいので)
どうしても席が離れているほど、声は聞き取りにくくなります。
他の生徒が静かならまだしも、全員が黙っているわけじゃないですよね。
クラスメイトが何か喋っていて、先生も何か喋っていたら
先生の話だけ聞けたら良いけど、他の話も耳に入ってくるので
(普通は先生の話だけ聞けるものなんでしょうか?この技術が出来ないです)
明日〇〇持ってこいよ~とと口頭の説明が聞こえてきません。
また、話し合いの時は「端の席」にすると良いです。
真ん中の席だと両方から声が聞こえてきて、
音声が両方から聞こえてくるとあああああ理解出来ないいい
こなあああああゆきいいいいいいいいいいいいい
となるので、端ですと片方からだけなのでまだマシになります
聴覚情報処理障害(APD)への支援2.聴覚補助
・話し手の音量増大(マイクを使うなど)
・周囲の騒音を減少する
以前、着物イベントに参加した時にバスで長距離移動をしたのですが
その時、案内の人がマイクを使わずに肉声でお話されていました。
まーーーーーーーーーーーーったく何喋ってんのか聞こえなかった。
正確に言うと、聴覚に問題はないので何か喋っているのは聞こえるのですが
・案内の人の声が小さいから聞こえてこない
・車の中って案外、移動時の騒音がするので静かではない
・周囲のお客さんがベラベラ喋っているので、その声が嫌でも耳に入ってくる
カクテルパーティー効果、まったく発揮されず。
バスの中ではマイクを使用してほしいです。
聞こえません。
聴覚情報処理障害(APD)への支援3.直接支援
・聴覚訓練
・語学数を増やす
「ラジオを意識してしっかり聞く」だけでも耳の訓練になります。
普段はなんとなく聞き流しているラジオでも、意識するとトレーニングになります。
好きな芸能人がラジオ番組をやっているのであれば、その番組を聞くのも良いですね。
また、語学数を増やす事も大切。
ラジオを聞いていると「この言葉、何て言ってるんだろう?」という事が結構あるのですが
「たぶん〇〇って言ってるんだろうな」と推測する幅が増えます
語学数を増やすには本や新聞を読むと良いのですが、デジタル新聞でも良いです
(私は紙の新聞が苦手なので、ネットニュースを見るようにしています)
文字でニュースを見ておくと、ラジオで音声だけ流れてきても
「さっきの言葉聞き取れなかったけど、
ニュースで読んだ記事に書いてあったからたぶん〇〇だろうな」
と推測することが出来ます
合ってるかどうかはわかりませんが、
事前に文字情報を見ているか見ていないかでも随分違いますよ。
大人になってからも勉強する事は大切!
聴覚情報処理障害(APD)への支援4.心理的支援
・症状を受容する
・周囲への理解促進
自分は「聴覚情報処理障害(APD)」なんだ、と自覚することも大事です。
何も知らずに「何でこんなに聞こえにくいんだろう…」と疑問に感じていた時よりも
聴覚情報処理障害(APD)なんだ、と気付いた今のほうが生きやすくなりました。
(自己受容したことで、うつ病が治療された部分は大きいです)
また周囲に言っておくことも大切。
聴覚情報処理障害(APD)なんです
何それ???
と、知っている人はほとんどいないので説明する事から始めないといけないですが
「聞き返す事が多いけどごめんね」
「出来たら文字で伝えてくれたほうがありがたい」
と一言、言っておくだけでも印象は異なります。
何も言わないと
あの人、何回も同じ事を聞き返してきてウザイ!!
と嫌われます。
ウザイだけなら良いですが、イジメられたり仲間外れにされます。
はい、私の事です。
聴覚情報処理障害(APD)なんて言葉、
昭和生まれの私の若い頃はなかったからな…
最後に
聴覚情報処理障害(APD)はまだ言葉が出てきて間もないですし、
診断できる病院も少ないです。
「何で自分は出来ないんだろう…」
と自己否定する人が圧倒的に多いので
「出来ない自分を責める必要はない」と言いたいです。
自分は聴覚情報処理障害(APD)じゃないだろうか?
この子は聴覚情報処理障害(APD)なのかもしれない…
と気付いた事だけでも、大きな進展です。
ほとんどの人が気付かないままで、生きづらさを抱えて生きているので。
最近はAPDの当事者会なども開催されているので
興味がある方は是非、参加してみてください。
https://apd-peer.jimdofree.com/